適材適所を極め、
「未来に繋がる木」を使う。

木工所として、木と共に歩み続けて64年。
多様な性質、多様な特性、多様な価値を持つ木のことを、わたしたちは毎日考えて過ごしてきました。
けれど、それでも、まだまだ知らないことは多いのが現状です。

時代や環境に合わせた木々の変化、森林や土壌の現状、生木から材木へと変わっていく過程のことを、生産者と共に山に入り、木に触れて、匂いを嗅ぎ、学んでいく。
加工を始めるずっと手前のところから、木の一生について知り、関わっていく。

木と共に歩み続けてきたわたしたちは、どんな木にも固有の特性があり、魅力があるということを知っています。成長途中で切り倒された「間伐材」だとしても、その品質に問題などあるはずがありません。
もしも違いがあるとするならば、それは加工技術者に求められる技術のみです。

今価値があるとされる木材をただ使うだけでなく、適材適所を見極めて新たな価値さえも生み出していくということが、これからのものづくりには必要なのではないかと思うのです。

京都・北山の森から
届く間伐材

長年京都で木こりを続け、間伐材を活用した製品開発を行う森の力京都株式会社の代表も勤める久保和則さんと提携し、生産者から直接良質な木材を仕入れています。

-ひのき-

檜風呂や高級家具に代表される「檜」ですが、実は神社や仏閣にも活用されることが多く、日本の風土に合う性質を持つといわれています。高い耐久性と同時に、長期の水湿にも耐えられるといった特徴と、仕上げた時の見た目の美しさ。そして誰もが知るその豊かな香りから、高級な木材として今も多くのシーンで扱われる木材です。

一方で、家具や建築に使用される大きな檜を育てるためには、一本一本が太陽光や栄養をしっかりと吸収して育つことができる環境を守るため間伐が必要になります。

直径50cm程の幹になるまで育てた木々の中から、さらに大きく育てていく木を選定し、その他の木は切り倒す。これをしなければ、高級な木材として出荷することができる大きな檜を育てることはできません。多くの場合だと、植林された木の3分の2は間伐対象となります。栗原木工株式会社では、この「間伐された檜」を活用し、新たな商品に生まれ変わらせることに取り組んでいます。